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クリーン [cinema]

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愛する夫を失い、ひとり息子とも引き離された母親が失った絆を取り戻すために自ら生まれ変わることを誓い、悲しみと絶望の底から這い上がろうともがいていく姿を描いた感動ドラマ。監督は「イルマ・ヴェップ」「DEMONLOVER」のオリヴィエ・アサイヤス。監督の元妻で「イルマ・ヴェップ」以来の共作となった主演のマギー・チャンは、本作の演技でカンヌ国際映画祭女優賞に輝いた。共演に「白い刻印」のニック・ノルティ、「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」のベアトリス・ダル。  ロックスターのリーを夫に持ち、自らも歌手として成功することを夢見るエミリー。2人にはジェイという幼い息子がいるが、彼らの手を離れ、今はバンクーバーに住むリーの両親に育てられていた。そんなある日、リーがドラッグの過剰摂取で帰らぬ人となってしまう。この事態を未然に防げなかったことで周囲から責められるエミリー。やがて6ヶ月後、彼女は全てをリセットしようと、かつて住んでいたパリへ向かう。しかし、息子を取り戻すためには何でもする、と決意を固めたものの様々な想いが交錯し、これまで自分勝手に生きてきた報いのごとく孤独の深淵に打ちひしがれていくエミリー。そんな中、義父のアルブレヒトがジェイを連れロンドンに滞在しているとの報せを受ける。そして2日間だけ息子と会う機会を得たエミリーは、ジェイと数年ぶりの再会を果たすのだが…。

<ネタばれありなのでご注意ください!>
この映画、友達に観たら感想を聞きたいと言われていたので、久々にブログを更新しました。
数ヶ月前にツイッターを始めたので、そっちにはブツブツと書いてはいたのですが、
長文は久しぶり。読みにくかったらごめんなさい。
オリヴィエ・アサイヤス監督の作品で記憶に残っているのは、
最近DVDで観た「夏時間の庭」くらいで、
以前、マギー・チャン主演で撮られた「イルマ・ヴェップ」も観たことがないんです。
(ジャン=ピエール・レオーが出てるなら廃盤になる前に観ておけば良かった・・・)
この作品は友達に薦められたのもあったけど、ストーリーの設定にも興味がありました。
ミュージシャンのトリッキーが出演しているのもちょっと気になったし。
主演のマギー・チャンは撮影時40歳くらいだったらしいのですが(ちなみにこれは2004年作品)
「イルマ・ヴェップ」でキャットスーツみたいなのを着せられてたときと同じくらいスリムでエイジレス。
カナダ、サンフランシスコ、パリ、どの街にいてもスッと馴染んでしまう不思議な魅力があります。
この作品の設定ではミュージシャンの彼氏との間に男の子がひとりいるんですが、
彼氏の実家(カナダ)に預けっぱなしで育児放棄したまま。
そんな彼女が、パートナーの急死によってすべてを失ったことで
やっと息子への愛情に気が付き、彼に会うために生まれ変わる決心をします。
そんな彼女の努力を知り、感銘を受けた義父が
滞在先のロンドンからわざわざ彼女の息子を連れてパリにいる彼女に会いに来るのですが
ニック・ノルティ扮するこの義父の懐の深さというか、人間として器がとても大きい人で
彼の息子を薬で堕落させ、死に追い詰めたというまわりの噂に振り回されることなく
人生を再出発させるために出来る限りサポートして彼女の支えになってくれるんです。
絶望の淵から這い上がろうと努力するにも、
こういう人のサポートなしでは決して立ち上がれないはず。
ベアトリス・ダル扮する彼女の旧友も、
ジャンキーだった彼女を非難するでもなく、ありのままの彼女をただ受け入れてくれる。
いつもは怖~い役が多いダルねぇさんですが、
今回は主人公をそっと支える友達をさりげなく演じてました。
タダものでないオーラはガンガン放っていましたが(笑)。
孫が自分をどう思っていると思う?と妻に聞かれたニック・ノルティが
「多分、バカだと思われてるんだろうけど、でも全部わかってるんだ」
みたいなことを語るシーンがあるのですが、
この義父は本当にそういう人なんだなと思います。
死んだ息子の彼女を責めることの方が、彼女を救うことよりずっと楽なはずだけど
息子の運命や、その息子の運命によって翻弄された彼女の人生も
彼なりに受け止めて理解してくれていたのかなって。
ラスト近くで、息子のために音楽を諦めてまっとうに生きようとする主人公を見かねて
そっと後押しまでしてくれるんですよね、このじいさんときたら!(大泣)
結局、堅気な仕事より夢を追う方を選んだ彼女に、「それでこそ君らしい」と言うじいさま。
そんなことをさらっと言えるあなたが素晴らし過ぎる。
確かにマギー・チャンは熱演したいましたが、
(歌まで披露したり)
私はニック・ノルティの演技の方に感動しちゃいました。
彼ってちょっと荒くれ者みたいなイメージがあったので、
こういうさりげなく繊細な演技ができる人だったんだというのが、とっても新鮮でした。
・・・人間、ひとりぼっちで生きてると思ったら大間違いなんだなって
当たり前のことを再確認した思いでございます。
あ、あと気になっていたトリッキーですが、セリフ一個もありませんでした(笑)。


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